鹿革について

概要

鹿革産業は、奈良県宇陀市菟田野の古くからの地場産業の一つで、その国内シェアは95%に上ります。
鹿の原皮はおもに中国・ニュージーランドから輸入されています。原皮は全国で奈良県宇陀でしか仕入れられておらず、その加工技術は世界随一です。原皮の加工だけではなく、縫製・製品販売までを、地元の業者が統括的に行っているのが現状です。

現在、鹿革は、コートなどの衣類やバッグといったアパレル分野、剣道に使われる武具などに使用されているほか、その柔らかくきめ細やかな特性から、楽器やカメラなどを手入れするクリーニングクロスとしてなど、実用的な用途にも使用されています。

鹿革の特徴

鹿革は、ほかの天然皮革にはない以下の特徴を備えています。
原皮からなめし加工を施した革は、「白革(しらかわ)」となり、基本的にどんな色にでも染色可能となります。

Point 1

牛革などに比べて非常に
軽い・柔らかい

Point 2

人肌に近い
きめ細やかな
質感

Point 3

天然革なのに
水で洗える

原皮の加工工程

原皮の含塩

水漬け

フレッシング

なめし

乾燥

空打ち

鹿革の用途例

中国やニュージーランドから輸入された鹿の原皮は、なめし加工を施して「白革(しらかわ)」に仕立て上げられたのち、さらに幾種類かの工程を経て、現状では次のような製品へと仕上げられます。

セーム革

タラの油を染み込ませて発酵させた製品で、非常に柔らかく仕上がります。
メガネ、貴金属、楽器やカメラのレンズなど、デリケートな製品の手入れ用クロスとしても使用されるほど、きめ細やかな仕上がりで、人工クロスでは細かい傷が付いてしまうようなものでも傷をつけることなく拭き取ることができます。
また、スキンケアなど美容の用途にも使われます。

武具

鹿革は、丈夫で非常に柔軟で軽く、使い込んでいくとどんどん手に馴染んでいくことから、剣道などの武具に使用されてきました。
デニムでおなじみの独特の色落ちがする「藍染」も施されています。
藍染は、その染料の特性から、本来革との相性は悪く、革を傷めてしまうものでしたが、地元宇陀では、染料の改良を重ね、革の品質を損なうことなく染めることに成功しています。

印伝(印傳)

印伝とは、おもに最小種の鹿キョンのなめし革を染色し、漆などで模様を描いたもので、その歴史は奈良時代にまで遡る日本古来の伝統工芸品です。
その発祥は奈良県宇陀市が有力とされており、「奈良印傳」は、天平工人の技によって奈良時代に製作されたのが始まりといわれています。
非常に趣深い奈良印傳。その色と柄は1000種類にもおよび、財布やキーケースなどの小物から、バッグなどに仕上げられます。

アパレル

現在では、コート、手袋、バッグなどで使用されています。大変きめ細やかで肌触りがよいうえ、軽く、柔らかい質感から、衣類にはとても適しているといえます。

鹿革の今後・可能性

鹿革は、ほかの材質や合成皮革などの化学製品にはない、天然製品ならではの豊かな特徴を備えています。
従来の使用用途に捉われることなく、発想次第で、様々な用途に使用できる可能性を秘めています。

鹿革の特性を活かした、これまでになかった製品を生み出すことも可能です。
ぜひ、あなたのアイデアを活かしてください。

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